令和5年度 1級電気通信工事施工管理技士 1次試験 試験問題A 過去問解説 問16~問20

当ページのリンクには広告が含まれている場合があります。
令和5年度 1級電気通信工事施工管理技士 1次試験 試験問題A 問16~問20

本記事は、「令和5年度 1級電気通信工事施工管理技士 1次試験 試験問題A 問16~問20」の解説になります。

過去問解説一覧はこちら

目次

No.16

解答

1

解説

(1)誤り
積分動作の主な役割は、「オフセット(残留偏差)を無くすこと」です。
応答性(素早く目標値に近づける力)を改善するのは主に比例動作や微分動作の役割であり、積分動作は逆に応答を遅くしたり、行き過ぎ(オーバーシュート)を招いたりする傾向があります。

(2)正しい
PID制御は、以下の3つを組み合わせた制御手法です。
① P(Proportional):比例動作(現在の偏差に比例)
② I(Integral): 積分動作(過去の偏差の蓄積に対応)
③ D(Derivative): 微分動作(将来の偏差の変化を予測)
それぞれの「ゲイン(効き具合)」を調整することで、システムを安定させ、目標値に正確に合わせることができます。

(3)正しい
微分動作は、偏差が「どのくらいの勢いで変化しているか(変化率)」を見て操作量を決定します。
急激な変化に対して大きなブレーキをかけるようなイメージです。記述通り、微分ゲインが大きいほど、変化に対する操作量も大きくなります。

(4)正しい
比例動作は、現在の偏差(目標値と現在値の差)に比例して操作量を変える、フィードバック制御の基本です。
偏差が大きければ大きく動かし、小さくなれば小さく動かすという、人間が直感的に行う操作に近い動作です。

No.17

解答

4

解説

(1)正しい
分散が発生すると、光パルスが伝送されるにつれて横に広がっていきます。
パルスが広がると隣の信号と重なってしまい、受信側で「0」か「1」か判別できなくなります(符号誤り)。
これを符号間干渉と呼びます。

(2)正しい
光は電磁波の一種で、振動方向(偏波)を持っています。
本来は円形のファイバでも、外部からの応力やわずかな歪みによって、垂直方向と水平方向で光の進む速度に差が出ることがあります。

(3)正しい
シングルモード光ファイバは光の通り道が1つしかないため、「モード分散」は発生しません。
そのため、次に問題となるのが波長ごとの速度差である「波長分散」(材料分散と構造分散の和)になります。10Gbps以上の高速通信では、この波長分散の管理が非常に重要になります。

(4)誤り
マルチモード光ファイバ(MMF)において、最も支配的な帯域制限要因は「モード分散」です。
マルチモード光ファイバはコア径が太く、光が複数の通り道(モード)を通ります。
それぞれのモードで進む距離が異なるため、到着時間にズレが生じます。
これが「モード分散」であり、構造分散よりも遥かに大きな影響を与えます。

No.18

解答

2

解説

(1)正しい
従来の方式では、一度光を電気信号に変換してから増幅し、再び光に戻す必要がありました(3R再生など)。
希土類添加光ファイバ増幅器は、光信号を「電気に変えることなく、光のまま直接」増幅できるのが最大のメリットです。

(2)誤り
これは半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)の説明です。
希土類添加光ファイバ増幅器は、その名の通り「光ファイバのコアに希土類元素(エルビウムなど)を添加」し、そこに励起光を当てることで、ファイバそのものの中で光を増幅させる仕組みです。

(3)正しい
増幅器自体が「光ファイバ」の形状をしているため、通信路である光ファイバと融着などで繋ぐ際、非常に親和性が高く接続損失を低く抑えることができます。

(4)正しい
偏波依存性とは、光の振動方向(偏波)によって増幅の度合いが変わってしまう性質のことです。
半導体光増幅器(SOA)は構造上、偏波による影響を受けやすいのですが、希土類添加光ファイバ増幅器はファイバ構造が円対称に近いため、偏波依存性が非常に少ないという優れた特徴を持っています。

No.19

解答

4

解説

(1)誤り
四光波混合 (FWM) と 波長チャーピング は、原因も現象も別物です。
四光波混合は、複数の光信号が干渉して「新しい別の波長の光」が発生し、ノイズとなる現象です。
一方、波長チャーピングは主に送信器(LD)の直接変調などでパルス内の波長が微妙に変化する現象を指します。

(2)誤り
WDMのメリットは、「分波せずに、複数の波長をまとめて一括で増幅できる」点にあります。

(3)誤り
波長間隔を20nmとするのはCWDMの規定です。また、DWDMはITU-T(国際電気通信連合)によって使用する周波数(グリッド)や帯域(Cバンド、Lバンドなど)が規定されています。

(4)正しい
CWDM(Coarse WDM):波長の間隔を広く(一般的に20nm)取り、低コストな装置で数波長〜18波長程度を多重化します。
DWDM (Dense WDM):「Dense(高密度)」という名の通り、波長の間隔を非常に狭く(0.8nm以下など)設定します。
波長の間隔を詰めれば詰めるほど、1本のファイバに詰め込める光信号の数は増えるため、DWDMの方がより多くの信号を多重化できます。

No.20

解答

2

解説

(1)正しい
ケーブルの心線(導体)の間には静電容量が生じます。
静電容量 CC は、導体間の距離に反比例し、絶縁物の誘電率に比例します。
したがって、「導体間隔を広げる」ことや、「比誘電率の小さい絶縁物(ポリエチレンなど)を使う」ことは、静電容量を減らすための正しいアプローチです。

(2)誤り
表皮効果によって抵抗値は「増加」します。
高周波電流が流れると、電流が導体の中心部を流れにくくなり、表面付近に集中する現象を「表皮効果」と言います。
電流が流れる有効な断面積が実質的に小さくなるため、電気抵抗は高くなります。

(3)正しい
隣り合うペア(対)の間で信号が漏れる現象を「漏話」と言います。
心線を「撚る(ひねる)」ことでノイズを相殺し、さらに隣り合うペア同士で「撚りピッチ(ひねりの間隔)」を変えることで、磁界の結合を防ぎ、漏話を効果的に軽減しています。
LANケーブル(UTPケーブル)などでも使われている非常に重要な技術です。

(4)正しい
高周波の電流が流れると、周囲にある金属体(シールド材や防護管など)に磁界の変化が伝わり、そこに「渦電流」が発生します。
この渦電流が熱としてエネルギーを消費してしまうため、結果として電力損失(エネルギーのロス)が生じます。

この記事を書いた人

30代電気通信エンジニア

所有資格:一陸特、一陸技、電気通信主任技術者(伝送交換)、工事担任者(AI・DD総合種)、電気工事士2種、CCNA(期限切れ)

誰かの役に立てばいいなと思っています。

目次