本記事は、「令和6年度 1級電気通信工事施工管理技士 1次試験 試験問題A 問41~問45」の解説になります。
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No.41
解答
1
解説
(ア)パススルー方式 (Pass-through)
パス(通過)」「スルー(そのまま)」という名前の通り、放送局から送られてきた信号の形式(変調方式)をいじらずに、そのままケーブルに流します。
(イ)リマックス方式 (Remux)
「リマックス」は「Re-multiplexing」の略です。一度バラバラにして、特定の番組だけを選び直して(独自編成して)まとめ直す作業を指します。CATV局が独自の番組表を作りたい場合に使われます。
(ウ)トランスモジュレーション方式 (Trans-modulation)
「トランス(変換)」「モジュレーション(変調)」という意味です。例えば、衛星放送の信号(ISDB-S)を、ケーブル伝送に適した形式(J.83 Annex Cなど)に変換して送ります。効率的な伝送が可能になりますが、視聴には専用のセットトップボックス(STB)が必要になります。
No.42
解答
4
解説
(1)正しい
静止衛星から放送するため、1つの衛星で日本全国(離島や山間部含む)をカバーできます。
これが衛星放送(BS/CS)の最大のメリットです。地上波のように各地に中継局を立てる必要がなく、一気に広範囲へ届けられます。
(2)正しい
複数のサービス(番組など)を独立した MPEG-2 TS(トランスポートストリーム)として伝送可能です。
1つのチャンネル帯域の中で、映像、音声、データ放送など、複数の独立した信号をまとめて送ることができる仕組みになっています。
(3)正しい
QPSK(4相位相変調)を用いる場合、「畳込み符号」と「リード・ソロモン符号」を組み合わせた連結符号という強力な誤り訂正技術を使っています。
宇宙からの微弱な電波を正確に受信するため、ノイズに強いこの組み合わせが採用されています。
(4)誤り
BSデジタル放送で「約 52 Mbps」の伝送速度を実現する変調方式は、64QAM ではなく 8PSK です。
BSデジタル(ISDB-S)の標準的な「高度な伝送」では、8PSK という変調方式を使います。
64QAM は主にケーブルテレビ (CATV) や地上デジタル放送などで使われる方式です。
衛星放送は長距離伝送で信号が減衰しやすいため、QAM(振幅と位相の両方を変える方式)よりも、ノイズに比較的強い PSK(位相のみを変える方式)が好まれます。
No.43
解答
2
解説
(1)正しい
ワンセグ放送、Blu-ray、動画配信など、多くの媒体で使用されています。
H.264は非常に汎用性が高く、低ビットレートのモバイル通信から高画質なディスクメディアまで、現代の動画サービスの標準として広く普及しています。
(2)誤り
H.264では、動き補償(画面内の動いている部分を探す処理)の際に、可変ブロックサイズを採用しています。
従来のMPEG-2などは 画素などの固定サイズが基本でしたが、H.264では や など、絵柄の細かさに合わせてブロックの大きさを柔軟に変えることができます。これにより、複雑な動きでもより精密に予測でき、圧縮効率が劇的に向上しました。
(3)正しい
ブロックノイズを除去するためのフィルタが用意されています。
高い圧縮をかけるとブロックの境界が目立つ「ブロックノイズ」が発生しやすくなります。H.264では、符号化のループ内にこのノイズを滑らかにするフィルタが組み込まれており、画質の劣化を防いでいます。
(4)正しい
用途に合わせて「ベースラインプロファイル」や「ハイプロファイル」などが用意されています。
「プロファイル」とは、使える機能のセットのことです。
ベースライン:負荷が低く、ワンセグや古い携帯端末向け。
ハイ:高画質向けで、Blu-rayやHD放送向け。
このように、デバイスの性能に合わせて機能を選択できる仕組みになっています。
No.44
解答
3
解説
(1)正しい
液晶と比較して薄く作ることができ、応答速度が速いため動画表示に適しています。
有機ELは後述する「自発光」のため、液晶に必要なバックライトユニットが不要です。その分、圧倒的に薄く、折り曲げ可能なスマホなども作れます。また、電気を流した瞬間に光るため、残像感の少ない滑らかな映像が可能です。
(2)正しい
画素自身が発光(自発光)するため、視野角の問題がなく視認性に優れています。
液晶はバックライトの光をシャッター(液晶分子)で遮る構造上、斜めから見ると色が変わったり暗くなったりしますが、有機ELはそれ自体が光を放つため、どの角度から見ても綺麗に見えます。
(3)誤り
「基底状態となり、これが励起状態に戻る時に発光」という説明の順序が逆です。
電圧を加えることで、分子がエネルギーの高い「励起状態」になります。その後、エネルギーの低い「基底状態」に戻ります。この「戻る時」に余ったエネルギーを光として放出します。
(4)正しい
広い色域や暗部の優れた階調表現があり、4Kテレビやスマホで使用されています。
有機ELは「黒」を表現する時に完全に消灯できるため、「漆黒」を表現できます。これが「コントラスト比が高い(暗部の階調が優れている)」と言われる理由です。
No.45
解答
1
解説
(ア)少ない消費電力 (Low Power)
LPWAの「LP」は Low Power(低電力) を指します。ボタン電池1つで数年以上稼働できるような設計が特徴です。
(イ)数 km 〜 数十 km (Wide Area)
LPWAの「WA」は Wide Area(広域) を指します。免許不要なサブギガ帯(920MHz帯)などを使うことで、障害物に強く、都市部でも数km、見通しが良ければ数十km先まで電波が届きます。
(ウ)数十 bps 〜 数百 kbps
LPWAは「省電力で遠くまで飛ばす」ことに特化しているため、通信速度(スループット)は非常に遅いのがトレードオフ(妥協点)です。センサーの数値や位置情報など、小さなデータを送るのに適しています。

