令和7年度 第1回 工事担任者 総合通信 基礎 過去問解説 第2問

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令和7年度 第1回 工事担任者 総合通信 基礎 第2問

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目次

第2問(ア)

解答

4

解説

A 誤り
ドナー(Donor)とアクセプタ(Acceptor)の定義が逆になっています
ドナー (Donor):「与える者」という意味です。余分な電子を与えて自由電子を生じさせる不純物(リン P、ヒ素 As など)のことです。
アクセプタ (Acceptor):「受け取る者」という意味です。電子を受け取って正孔(穴)を生じさせる不純物(ホウ素 B、インジウム In など)のことです。

B 誤り
3価の元素を加えた場合にできるのはp形半導体であり、キャリア(担い手)は自由電子ではなく正孔です。
p形半導体 (positive):4価のSiに3価(インジウム In、ホウ素 B など)を加えます。電子が1つ足りない状態(正孔)ができ、これが電気を運びます。
n形半導体 (negative):4価のSiに5価(リン P、ヒ素 As など)を加えます。電子が1つ余る状態(自由電子)ができ、これが電気を運びます。

第2問(イ)

解答

3

解説

まずベース電流 IBI_B を求めます。

ベース抵抗 RBR_B にかかる電圧は、電源電圧 VCCV_{CC} からベース・エミッタ間電圧 VBEV_{BE} を引いたものです。

VRB=VCCVBE=100.7=9.3 [V]V_{R_B} = V_{CC} – V_{BE} = 10 – 0.7 = 9.3 \text{ [V]}

これにオームの法則を適用して、ベース電流 IBI_B を求めます。

IB=VRBRB=9.3 [V]930×103 [Ω]=0.01×103 [A]=10 [μA]I_B = \frac{V_{R_B}}{R_B} = \frac{9.3 \text{ [V]}}{930 \times 10^3 \text{ [Ω]}} = 0.01 \times 10^{-3} \text{ [A]} = 10 \text{ [μA]}

次に、コレクタ電流 ICI_C を求めます。

コレクタ電流 ICI_C は、ベース電流 IBI_B に直流電流増幅率 hFEh_{FE} を掛けたものです。

IC=hFE×IB=50×10 [μA]=500 [μA]=0.5 [mA]I_C = h_{FE} \times I_B = 50 \times 10 \text{ [μA]} = 500 \text{ [μA]} = 0.5 \text{ [mA]}

最後に、コレクタ抵抗 RCR_C を求めます。

コレクタ抵抗 RCR_C での電圧降下(VCCVCEV_{CC} – V_{CE})から、オームの法則を使って RCR_C を導き出します。

VRC=VCCVCE=106=4 [V]V_{R_C} = V_{CC} – V_{CE} = 10 – 6 = 4 \text{ [V]}

RC=VRCIC=4 [V]0.5×103 [A]=8×103 [Ω]=8 [kΩ]R_C = \frac{V_{R_C}}{I_C} = \frac{4 \text{ [V]}}{0.5 \times 10^{-3} \text{ [A]}} = 8 \times 10^3 \text{ [Ω]} = 8 \text{ [kΩ]}

第2問(ウ)

解答

1

解説

A 正しい
可変容量ダイオードは、別名バリキャップやバラクタとも呼ばれます。
通常のダイオードに「逆方向」に電圧をかけると、内部に電気が流れない領域(空乏層)が広がります。この空乏層がコンデンサの絶縁体のような役割を果たすのがポイントです。
・電圧を大きくする:空乏層が広がる → コンデンサの極板間隔が広がるのと同じ → 静電容量は小さくなる。
・電圧を小さくする:空乏層が狭まる → 静電容量は大きくなる。
このように、電圧ひとつで容量をコントロールできるため、ラジオの選局回路やFM放送の周波数変調(FM変調)回路に欠かせない存在です。

B 誤り
バリスタの特性説明において、「抵抗値が急激に上昇する」という部分が間違いです。正しくは「抵抗値が急激に減少する」です。
バリスタは、通常時は非常に高い抵抗値を持っていますが、雷などの異常な高い電圧(サージ電圧)がかかると、急激に抵抗値が低くなり、そちらに電流を逃がします。
用途としては、記述にある通り、電話機や精密機器を衝撃性雑音(サージ)から守る保護回路に用いられます。

第2問(エ)

解答

3

解説

トランジスタで信号を増幅するためには、あらかじめ適切な 「下地となる直流(電気の流れ)」 を作っておく必要があります。この下地を作ることを「バイアスをかける」と呼び、そのための回路をバイアス回路といいます。

トランジスタが「今、どのような電圧・電流の状態で待機しているか」を示すグラフ上のポイントが 「動作点」 です。

増幅回路は、入力された小さな波(交流信号)を、この「動作点」を中心にして大きく変動させることで増幅を行います。

・動作点が真ん中にある場合:上下均等にきれいに増幅できます。

・動作点が端に寄りすぎている場合:波の上が切れたり、下が切れたりして音が歪んでしまいます。

他の選択肢は以下のとおりです。

① 発振周波数:発振回路において、どのくらいの速さで振動するかを決める値です。

② 遮断周波数:増幅器が対応できなくなる高い周波数の限界値のことです。

④ 飽和点:トランジスタが全開になり、これ以上電流が流せなくなった状態のことです。バイアス回路はここを避けて設定するのが基本です。

⑤ 降伏電圧:逆方向に強い電圧をかけすぎて、絶縁が壊れて電気が流れてしまう電圧のことです。

第2問(オ)

解答

5

解説

出力特性(VCEICV_{CE} – I_C 特性)は、問題文にある通り、出力側の要素である電圧 VCEV_{CE} を変化させたときに、同じく出力側の電流 ICI_C がどう変わるかを見るものです。「出口側の電圧を上げたら、出口の電流はどうなるかな?」という関係を見ているので、出力特性と呼ばれます。

トランジスタ(エミッタ接地方式)を一つの箱として考えたとき、どこが入り口でどこが出口かをイメージすると分かりやすくなります。

入力側:ベース(B)とエミッタ(E)の間。ここに入れる電流 IBI_B が「入力」です。

出力側:コレクタ(C)とエミッタ(E)の間。ここから取り出す電流 ICI_C や電圧 VCEV_{CE} が「出力」です

入力特性:入力側の電圧 VBEV_{BE} と入力電流 IBI_B の関係を示すもの。

電流伝達特性:入力電流 IBI_B を変化させたとき、出力電流 ICI_C がどう変化するかを示すもの(増幅率 hFEh_{FE} に直結します)。

この記事を書いた人

30代電気通信エンジニア

所有資格:一陸特、一陸技、電気通信主任技術者(伝送交換)、工事担任者(AI・DD総合種)、電気工事士2種、CCNA(期限切れ)

誰かの役に立てばいいなと思っています。

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