本記事は、「令和8年 6月期午前 第一級陸上特殊無線技士 工学 過去問解説 問11~問15」の解説になります。
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問11

解答
4
解説
A
OFDM(直交周波数分割多重)方式では、大きな伝送データをたくさんの「遅いデータ(低速なデータ列)」に分け、複数のサブキャリア(搬送波)で同時に送ります(並列伝送)。
1つのデータあたりの時間を長くできるため、シンボル長が長くなります。
シンボル長(1データの送信時間)が伸びることで、後から遅れて届く波(遅延波)が次のデータに重なりにくくなり、シンボル間干渉(遅延波の影響)を減らすことができます。
B
マルチパス(建物などに反射して遅れて届く電波)による干渉を完全に防ぐため、データの先頭(または末尾)にクッションのような役割を果たす隙間時間=「ガードインターバル」を挿入します。
C
遅延波の遅れ時間(遅延時間)よりも、ガードインターバルの長さが「長ければ」、遅延波が前のデータに干渉して波形が崩れるのを防ぐことができます。
ガードインターバル(Guard Interval): 時間軸における隙間。マルチパス(遅延波)干渉を防ぐためのもの。
ガードバンド(Guard Band): 周波数軸における隙間。隣り合うチャンネル(周波数)同士の混信を防ぐためのもの。
問12

解答
3
解説
2段に接続された増幅器の総合の等価雑音温度 は、次の公式(フリスの公式)で求められます。
: 初段の等価雑音温度
: 次段(2段目)の等価雑音温度
: 初段の電力利得(真数)
問題文にある初段の電力利得は とデシベル表示になっているため、公式で使える 真数() に変換します。
両辺を10で割ります。
つまり
となるため、初段の電力利得の真数は (倍) であることがわかります。
求めた値を公式に代入します。
問13

解答
5
解説
A
BPSK変調器1(上のルート):
搬送波がそのまま入力されます。BPSKは入力を「0」または「」(反対の波形)に変化させるため、出力位相は 0 又は となります。
BPSK変調器2(下のルート):
入力の前に 移相器 が入っています。つまり、最初から位相が (90度)ずれた状態でBPSKに入ります。
そのため、出力位相は「」または「 にさらに (180度)を加えたもの」になります。
したがって、BPSK変調器2の出力位相は 又は となります。
B
QPSKは位相を (90度)ずつずらした 4つの状態(0, , , )を使ってデータを発信します。
4つの状態()があるため、1シンボルで「2ビット」の情報を送ることができます。
問14

解答
4
解説
A
複数の地球局が「別々の周波数」を使って同時に通信を行う方式です。周波数を分割してアクセスするため FDMA(Frequency Division Multiple Access:周波数分割多元接続) と呼びます。
「時間を分割する」のが TDMA(時分割多元接続)です。
B
FDMAのうち、1つのチャネル(通信路)に対して「1つの搬送波(Single Carrier)」を割り当てる方式を SCPC(Single Carrier Per Channel) と言います。
1つの搬送波に複数のチャネルをまとめて乗せる方式は MCPC(Multiple Channel Per Channel)と呼ばれます。
C
デマンドアサイメント(Demand Assignment:要求割り当て):
地球局から「使いたい」という要求が発生するたびに動的に回線を割り当てる方式です。効率よく回線を使えるメリットがあります。
プリアサイメント(Pre-Assignment:事前割り当て):
通信の需要にかかわらず、あらかじめ固定で回線を割り当てておく方式です。
問15

解答
3
解説
A
距離分解能とは、同じ方向にある「近い2つの目標物」を別々のものとして見分けられる能力のことです。
レーダーは電波(パルス)を出して、戻ってくるまでの時間を測ります。
パルス幅が広い(時間が長い)と、前の目標物から反射してきた電波の後ろと、次の目標物から反射してきた電波の先頭が重なってしまいやすくなります。
そのため、パルス幅が広いほど見分けづらくなり、距離分解能は「悪く」なります。(逆にパルス幅を狭く・短くするほど距離分解能は良くなります)
B
方位分解能とは、同じ距離にある「左右に並んだ2つの目標物」を見分ける能力です。
電波を発射するビームの幅(ビーム幅)が「狭い」ほど、スポットライトのようにピンポイントで対象を照らすことができます。
ピンポイントで狙えるため、隣り合う2つの目標物をくっきりと区別できるようになり、方位分解能は良くなります。
C
最大探知距離は、レーダーがどれくらい遠くの物体まで見つけられるかを表します。
アンテナ利得(ゲイン)を大きくする=電波を強く遠くまで飛ばせるようになるため、探知距離が伸びます。
アンテナの高さを高くする=地球の丸み(水平線)による遮られるエリアが減り、より遠くの見通しが利くようになります。
どちらも探知性能を上げる要素なので、最大探知距離は「大きく」(長く)なります。

