令和5年2月期午前の第一級陸上特殊無線技士 無線工学の過去問解説になります。
本記事は問16~問20の解説になります。
問11~問15はこちら↓

問16

答え
正解は5です。
解説
【A】
レーダーは自分の位置が画面の中心になります。近距離からの反射(海面反射など)が強すぎると、中心付近が明るくなりすぎて近くの船や障害物が見えなくなります。
【B】
Sensitivity Time Control(感度時間制御)の略です。
電波を発射した直後(近距離)はわざと感度を下げ、時間が経つにつれて(遠距離になるにつれて)感度を元に戻していく回路です。
【C】
Fast Time Constant(短時定数)回路の略です。
検波後の信号を微分します。雨や雪のように広範囲に広がる反射(ゆっくり変化する信号)はカットし、船などの硬い物標からの鋭い反射(急激に変化する信号)だけを際立たせます。
選択肢にある「AFC(自動周波数制御)」は、送信と受信の周波数をピッタリ合わせるためのもので、反射波の除去とは関係ありません。
問17

答え
正解は4です。
解説
パラボラアンテナの絶対利得を求める式は以下になります。
:開口効率(0.6)
:アンテナの直径(0.96 [m])
:波長 [m]
まず、波長を求めます。電波の速度なので、
求めた値と与えられた値を利得を求める式に代入します。
問18

答え
正解は4です。
解説
半値角(ビーム幅)とは、電界強度が最大値のになる「2つの方向の間」の角度です。
図を見ると、は中心軸から片側だけの角度を指しています。正しくはが半値角(ビーム幅)となります。
問19

答え
正解は2です。
解説
アンテナと給電線のインピーダンスが合っていない(不整合)と、送信機から送ったエネルギーの一部がアンテナで跳ね返って戻ってきてしまいます。
不整合によって反射波が生じると、送信機からの「進む波」と「戻る波」が給電線の中でぶつかり合い、その場で波打つような定在波(駐波)が発生します。
VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)は、整合が完璧なとき(反射がゼロのとき)の値は 1 になります。
VSWRは「1」が最小値(理想値)であり、反射が大きくなるほど数値が大きくなっていきます。
問20

答え
正解は3です。
解説
1:正しい
電波は空気の密度の変化によって、わずかに地球のカーブに沿って曲がる(屈折する)性質があります。そのため、標準的な大気の状態では、計算上の「幾何学的な見通し距離」よりも、実際の電波が届く距離の方が約15%ほど長くなります。これを「実効地球半径」という考え方で扱います。
2:正しい
本来、VHF帯の電波は電離層を突き抜けて宇宙へ行ってしまいます。しかし、夏場の昼間などに突発的に発生するスポラジックE層という非常に密度の濃い電離層に当たると、電波が反射されて、普段は届かないような遠くまで伝わることがあります。
3:誤り
周波数が高くなる(波長が短くなる)ほど、電波は「光」に近い性質になり、直進性が強くなります。
そのため、周波数が高いほど、建物や山の影に回り込みにくくなり(回折しにくくなり)、地形や建物の影響を強く受けるようになります。
4:正しい
直接届く電波(直接波)と、地面に一度当たってから届く電波(大地反射波)が受信アンテナで合わさると、お互いに強め合ったり弱め合ったりします。アンテナの高さを変えると、この2つの波の通り道の長さの差が変わり、電界強度が周期的に変動します。
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