令和5年2月期午前の第一級陸上特殊無線技士 無線工学の過去問解説になります。
本記事は問1~問5の解説になります。
問1

答え
正解は1です。
解説
【A】
1つの通信衛星(中継器)を複数の地球局で共同利用して、相互に通信を行う技術を「多元接続(マルチプルアクセス)」といいます。
問題文にある FDMA(周波数分割多元接続)や TDMA(時分割多元接続)、CDMA(符号分割多元接続)などがこれにあたります。
※「再生中継」は、衛星側で一度信号を復調・整形してから再送信する技術のことなので文脈が異なります。
【B】
TDMA (Time Division Multiple Access) は、時間を細かく分割(タイムスロット化)して、各地球局に割り当てる方式です。
※ちなみにFDMAの場合は「周波数」を分割して割り当てます。
【C】
10 GHz以上の高い周波数帯(KuバンドやKaバンドなど)の電波は、波長が短いため、雨粒の大きさの影響を受けやすくなります。雨や雪によって電波が吸収・散乱され、信号が弱くなる現象を 降雨減衰 と呼びます。
※「電離層シンチレーション」は、主にそれより低い周波数帯(VHFやUHF帯など)で問題となる現象です。
問2

答え
正解は4です。
解説
【A】
OFDMは、高速なデータをわざと複数の低速なデータ列に分割して並列に送ります。1つ1つのデータの速度を落とす(シンボルの時間を長くする)ことで、反射波(マルチパス)の影響を受けにくくしています。
【B】
前の信号の「残響」が次の信号に重ならないよう、信号の間に設ける「のりしろ」のような時間をガードインターバルといいます。これが反射波(遅延波)による干渉を防ぐ鍵です。
【C】
第3.9世代(3.9G)移動通信システムとして普及した規格は LTE です。LTEの下り回線では、このOFDMの技術を応用した方式が採用されています。
問3

答え
正解は3です。
解説
まず並列部分の合成抵抗を求めます。合成抵抗をとすると
となります。
次に、合成抵抗にかかる電圧を考えます。合成抵抗にかかる電圧をとすると
となります。
最後に、 [Ω]で消費される電力を計算します。
問4

答え
正解は2です。
解説
抵抗の電圧を求めるには、まず回路全体の電気の流れにくさであるインピーダンスを計算する必要があります。
先にコンデンサに電気が流れるときの抵抗成分(リアクタンス)を求めます。
次にインピーダンスを求めます。交流回路では、抵抗とリアクタンスを単純に足すことはできないので、直角三角形の斜辺を求めるように計算します。
最後に、抵抗にかかる電圧を求めます。
問5

答え
正解は5です。
解説
普通のダイオードは、逆方向に電圧をかけても電流を通しません。しかし、このツェナーダイオードは、特定の電圧(ツェナー電圧)を超えると急に電流を流し始め、その後は電圧を一定に保とうとする不思議な性質を持っています。
「それ以上、逆方向電圧を上げることができなくなる」という性質を利用すると、入力電圧が少々ふらついても、出力電圧をピタッと一定に保つことができます。これを定電圧特性と呼び、安定した電気を送るための電源回路には欠かせない存在です。
続き
続きはこちら↓


