本記事は、「令和6年度 1級電気通信工事施工管理技士 1次試験 試験問題A 問26~問30」の解説になります。
著作権の関係があるので、問題は記載しません。
過去問解説一覧はこちら。

No.26
解答
3
解説
(1)正しい
八木アンテナは、電波を出す「放射器(導線)」のほかに、電波を反射させる「反射器」と、電波を特定の方向に導く「導波器」を組み合わせることで、強い指向性を持たせています。テレビの受信アンテナ(魚の骨のような形)としてお馴染みの仕組みです。
(2)正しい
アンテナ自体を物理的に回転させなくても、各素子から出す電波のタイミング(位相)をずらすことで、電波の進む方向を自由に変えることができます。レーダーや最新のWi-Fi、5G基地局などで使われている高度な技術です。
(3)誤り
通常のパラボラアンテナは、反射鏡の「真ん中(正面)」に放射器を置きます。しかし、これだと放射器が電波の邪魔になり、サイドローブ(不要な方向への電波の漏れ)が増える原因になります。
一方、オフセットパラボラアンテナは、放射器を中央から「ずらした(オフセットした)位置」に配置することで、反射鏡の開口面を有効に使い、サイドローブ特性を改善しています。
(4)正しい
垂直に立てた放射ポールと、地面(水平方向)に広がる数本の地線(ラジアル)で構成されるアンテナです。無指向性(全方向に電波が飛ぶ)で、移動体通信の基地局などでよく利用されます。
No.27
解答
4
解説
(1)正しい
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)は、一つの太い通信路をたくさんの細い波(サブキャリア)に分け、それらを「直交」させることで互いに干渉せずに密度高く並べる技術です。これらを複数のユーザーに分配して同時に通信します。
(2)正しい
OFDMAは「周波数」だけでなく、「時間(いつ送るか)」の要素も組み合わせて、パズルのように細かくリソースをユーザーに割り当てます。これにより、非常に柔軟な通信が可能になります。
(3)正しい
ユーザーによって「この周波数は通りやすいけれど、あちらは電波が弱い」という状況は異なります。OFDMAでは、それぞれのユーザーにとって最も状態が良いサブキャリアを優先的に割り当てる(周波数スケジューリング)ことができるため、無駄なくデータを送れます。
(4)誤り
下り(基地局 → 端末):OFDMA を使用します。
上り(端末 → 基地局):SC-FDMA(シングルキャリアFDMA)を使用します。
なぜ上りにOFDMAを使わないかというと、OFDMAは消費電力が大きくなりやすいという弱点があるからです。バッテリーに限りがあるスマホ(端末)の負担を減らすため、上りにはピーク電力を抑えられる SC-FDMA が採用されています。
No.28
解答
2
解説
(1)誤り
アップリンク(登り)とダウンリンク(下り)で同じ周波数を使うと、衛星内で電波が干渉(混信)してしまい通信ができなくなります。 そのため、必ず異なる周波数(例:アップリンクは 14 GHz 帯、ダウンリンクは 12 GHz 帯など)を割り当てます。通常、減衰の影響を考慮してアップリンクの方に高い周波数が使われます。
(2)正しい
TDMAは、一つの周波数を「時間(タイムスロット)」で細かく区切り、複数の局が順番に電波を出す方式です。
(3)誤り
1 GHz 以下:大気ガスではなく、「電離層」での反射や、宇宙雑音(銀河雑音)の影響が大きくなります。
10 GHz 以上:記述の通り、雨による「降雨減衰」が激しくなります。
大気ガス(酸素や水蒸気)による減衰:主にさらに高い周波数(20 GHz 以上など)で顕著になります。
(4)誤り
静止軌道 (GEO) は、赤道上空の約 36,000 km です。400〜1000 km は「低軌道 (LEO)」と呼ばれます。
イリジウムシステムは、静止衛星ではなく「低軌道衛星」を用いたシステムです。
No.29
解答
1
解説
(1)誤り
準ミリ波・ミリ波帯(22/26/38 GHz)を使用する広帯域系FWAの P-P方式(1対1) において、標準的な仕様での最大伝送速度は156 Mbps程度です。
(2)正しい
22GHz、26GHz、38GHz帯は、FWA(加入者無線アクセス)に割り当てられている代表的な周波数です。
(3)正しい
基地局から複数の端末へ繋ぐ P-MP方式(1対多)では、1ユーザーあたりの速度や干渉を考慮し、最大伝送速度46 Mbps、距離 1 km程度というスペックが標準的とされています。
(4)正しい
FDD(周波数分割)、TDD(時分割)といった基本的な通信方式が採用されています。
No.30
解答
4
解説
(1)正しい
tracerouteは、パケットの生存期間を示すTTL(Time To Live)を1から順に増やして送信します。各ルータでTTLが切れるたびに送り返される「時間超過」メッセージや、最終的な宛先からの「エコー応答」を利用して、通信経路を特定します。
(2)正しい
pingは最も有名なICMPの活用例です。「生きていますか?(エコー要求)」と送り、相手から「生きています(エコー応答)」が返ってくることで、疎通確認を行います。
(3)正しい
パケットがネットワーク内で無限ループするのを防ぐため、ルータを一つ通るたびに TTL が 1 減ります。TTL が 0 になるとパケットは破棄され、そのルータが送信元へ「時間切れで届けられませんでした」と通知します。これが ICMP時間超過メッセージです。
(4)誤り
リダイレクトメッセージは、データを転送するために使うものではなく、送信元に対して「もっと最適なルータ(経路)が他にあるから、次はそっちに送ってね」と教える(通知する)ためのものです。
「転送」そのものはIPの役割であり、ICMPリダイレクトはあくまで「経路の修正指示」を出すメッセージです。

