令和7年度 第1回 工事担任者 総合通信 理論 過去問解説 第4問

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令和7年度 第1回 工事担任者 総合通信 理論 第4問

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目次

第4問(ア)

解答

2

解説

DiffServ(Differentiated Services)は、パケットのヘッダにある DSCP (Differentiated Services Code Point) という値を参照して、パケットをグループ(クラス)分けし、そのクラスごとに優先度を変える方式です。

ネットワーク全体で「このパケットは優先」という共通のルール(DSCP)を使うため、大規模なネットワークでも効率よく運用できます。

ルータなどの通信機器がパケットを受け取った際、ヘッダを見て「これは動画データだから優先しよう」「これはメールだから少し待たせても大丈夫」と判断します。

他の選択肢は以下のとおりです。

① アソシエーション (Association):主に無線LANにおいて、端末(スマホなど)がアクセスポイントに接続・登録するプロセスを指します。

③ POLQA (Perceptual Objective Listening Quality Analysis):通話品質を評価するための測定アルゴリズム(基準)のことです。制御技術ではありません。

④ ポリシング (Policing):あらかじめ設定した帯域制限を超えたパケットを破棄したり、優先度を下げたりする「監視・制限」の動作そのものを指します。QoS技術全体を指す言葉ではありません。

⑤ IntServ (Integrated Services):パケットごとではなく、通信の開始前にあらかじめ経路上のルータに対して「この通信のためにこれだけの帯域を予約します」と約束(シグナリング)する方式です。個別に予約管理をするため、大規模ネットワークには不向きです。

第4問(イ)

解答

3

解説

G.fast(ジーファスト)は、既存の電話回線(銅線)を使いながら、光ファイバーに近いスピードを出すための技術です。

主に、光回線を各部屋まで引き込むのが難しいマンション(集合住宅)の既設配線などで活用されています。

以前の主流だったVDSLよりも、はるかに高い周波数帯域(106MHzや212MHz)を使用することで、速度を大幅に引き上げました。

従来のDSL(ADSLやVDSL)は「上り」と「下り」で使う周波数を分けるFDD方式でしたが、G.fastは同じ周波数を「時間」で区切って交互に使うTDD方式を採用しています。

これにより、上りと下りの速度比率を柔軟に変更できるのが特徴です。

他の選択肢は以下のとおりです。

① ADSL:電話回線を使った初期の高速通信ですが、最大速度は50Mbps程度であり、1Gbpsには遠く及びません。

② FTTB (Fiber To The Building):建物の共用部まで光ファイバーを引く「構成」の名称であり、特定の伝送方式(規格)そのものを指す言葉ではありません。

④ HDSL (High-bit-rate Digital Subscriber Line):主にビジネス用の専用線などで使われた古いDSL技術で、1Gbpsのような超高速通信は行えません。

⑤ HFC (Hybrid Fiber Coaxial):光ファイバーと同軸ケーブル(テレビ放送用)を組み合わせた通信網のことです。設問にある「メタリックケーブル(電話線)」主体の技術とは異なります。

第4問(ウ)

解答

5

解説

LDPC(Low Density Parity Check)は、データ転送中に発生したエラーを非常に高い精度で訂正できる技術です。

理論上の限界(シャノン限界)に近い非常に優れたエラー訂正能力を持っています。これにより、ノイズの影響を受けやすい高速通信でも安定してデータを送れるようになります。

5G(第5世代移動通信システム)や、有線LANの10GBASE-T、衛星放送など、現代の超高速通信における「標準的なエラー訂正符号」として普及しています。

他の選択肢は以下のとおりです。

① リードソロモン (Reed-Solomon):CDやDVD、QRコード、また旧規格のDOCSIS 3.0などで使われていた伝統的な符号です。LDPCに比べると訂正能力に限界があります。

② トレリス (Trellis):主に信号の変調と組み合わせて使われる手法(トレリス符号変調)で、古いモデムなどでよく使われました。

③ BCH:多くのデジタル機器で使われますが、DOCSIS 3.1において「5Gや10GBASE-Tと共通の主要な符号」として挙げられるのはLDPCです。

④ 畳込み (Convolutional):データをビット単位で連続的に処理する符号です。これも以前の通信規格では主流でしたが、最新の超高速規格ではLDPCやターボ符号に取って代わられています。

第4問(エ)

解答

4

解説

IPoE(IP over Ethernet)は、イーサネット(LANの規格)を使って直接IP通信を行う方式です。

従来のPPPoE方式では「NTE(ネットワーク終端装置)」という関門を通る必要がありましたが、IPoEは「GWR(ゲートウェイルータ)」を経由してISPへと接続します。

多くのユーザーが利用する夜間などにPPPoE方式で速度低下が起きる主な原因は、この「NTE」の混雑(輻輳)でした。IPoEはNTEを通らない設計のため、混雑の影響を受けにくく、高速で安定した通信が可能になります。

PPPoEで必要だったIDやパスワードの入力(接続設定)が不要で、接続するだけで通信ができるのも特徴です。

他の選択肢は以下のとおりです。

① IoT (Internet of Things):「モノのインターネット」を指す概念的な言葉であり、接続方式の名称ではありません。

② IP-VPN:通信事業者の閉域IP網を利用して構築される仮想私書箱(VPN)サービスのことです。一般のインターネット接続方式を指す文脈では不適切です。

③ RoF (Radio over Fiber):無線信号を光ファイバーで伝送する技術のことです。アクセスネットワークの接続方式とは異なる分野の用語です。

⑤ IPCP (Internet Protocol Control Protocol):PPP接続において、IPの設定(IPアドレスの割り当てなど)を行うためのプロトコルの名前です。

第4問(オ)

解答

2

解説

A 誤り
ラベルスイッチングは、IPヘッダ全体を解析して経路を決める複雑な「ルーティング(レイヤ3処理)」に比べ、短い固定長の「ラベル」だけを見て機械的に転送(スイッチング)を行います。
そのため、一般的にルーティング処理よりも高速に動作するのが特徴です。

B 正しい
EoMPLS(Ethernet over MPLS)は、ユーザーのイーサネットフレームをカプセル化(MPLSラベルを付与)して運びます。
網の出口にあるルータ(LER: Label Edge Router)は、付けられていたラベルを取り外して、元の真っさらなイーサネットフレームに戻してからユーザーへ届けます。これを「ポップ(Pop)」処理と呼びます。

この記事を書いた人

30代電気通信エンジニア

所有資格:一陸特、一陸技、電気通信主任技術者(伝送交換)、工事担任者(AI・DD総合種)、電気工事士2種、CCNA(期限切れ)

誰かの役に立てばいいなと思っています。

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